バフェットとグレアムと僕 インドの13歳少年が書いた投資入門を読んで

この本はタイトルにもあるようにバフェットとグレアムの本を読み、そのファンとなった少年が書いた本です。

13歳で本を書くなんてすごい!しかも投資の本を!

と思う反面、内容を見てみるとこの本を書いた少年、アリャマン・ダルミアさんが実際に投資を行った話というのは出てきません。もしかしたら年齢か何かの都合で投資ができなかったか、もしくはあえて書かなかったのかわかりませんが、とにかく自身の投資成績については書いてません。

なのである種、バフェットとグレアムのファンが書いたバフェットとグレアムの本とも言えます。

「バリュー投資のやさしい指南書」と本の中に書いてありますが、バフェットとグレアムの引用なので当人たちの本にはもちろん書いてありますし、同じバフェットとグレアム信者の人が書いた投資法の本にも同じ内容が見つけられると思います。

よく言えば普遍。悪く言えばもう何回も擦られている内容とも言えます。

しかしこの本はそれだけでなく、きちんと(おそらく)この少年独自の目線でインドの企業で言うとこの企業が条件に当てはまる!というようにインドの企業の例が出てきます。改めて言いますが、その企業に少年が実際に投資して、そして利益が出てるかどうかについては書いてありません。

そしてこの少年は投資家や資産家、実業家といった親戚が多いようで、その人達の考え方や当時の内容が、バフェットやグレアムの考えと同じ場合に引き合いに出されています。これは抽象的な助言を具体的に分かりやすくするのに役立ってます。

なのでこの本の、著者自身からのオリジナリティな面については本の発行から何年も経っているので情報が古いかもしれませんが、興味がある人はぜひ読んでみていただければと思います。

ここには、その他でも擦られているバフェットとグレアムの考え方や投資法について、これまた私も何番煎じか分かりませんがここに改めて載せていきたいと思います。

Contents

著者が参考とした本等

この本の冒頭には著者であるアリャマン・ダルミアさんが「これを読んだよ」という本が親切に書いてあるのでそれを羅列。私もいつか全部読みたいものです。

グレアムの考え

ポイント:十分な分析を行なえば、安全性と十分なリターンが約束される。

われわらの五〇年以上にわたる株式投資の経験や観察から言えるのは、マーケットを追いかけるのとで、一貫して、また継続的に高いリターンを上げることができた人はひとりもいないということだ。このようなアプローチは世間にまかり通っているが、まちがったアプローチだと、ためらうことなく断言する。

正しい投資の原則は時代によって変わるものではない。ただし、原則を適用するにあたってはら金融のメカニズムとその環境に応じて変えていかなければならない。

原則は変わらないけど環境に応じて変えるというのは、原則は複数あるからどれを使うかは状況を見てねってことですかね?

世間でもてはやされている次の幻想を一掃したい。、つまり、一流企業の株式は、いついかなるタイミングで、またどんな株価で買っても、最終的には儲かるか、たとえ一時的に損失が出てもやがて株価は回復して損を取り戻せるというものだ。こんなのは幻想に過ぎないし、あまりにもうますぎる話であって、にわかには信じられない。

物事を成し遂げるには熱中することが必要だが、こと株式投資に限って言えば、ほぼ間違いなく、熱中は悲惨な結果を招く。

二つの教訓を読者に示したい。一つ目は、ビジネスの成長が明らかに期待されるからといって、投資家に確実に利益がもたらさせるとは言えないこと。二つ目は、専門家であっても、もっとも有望な産業のもっとも有望な企業を選択して、これらに投資を集中するための信頼できる方法を持ち合わせていないこと。

まさに、投資家にとっての大きな問題─そして最大の敵─は自分自身である。

値段と商品の価値とを関連付ける習慣は、投資において大切なことである。香水を買うようにではなく、日用品を買うのと同じように株式を買いなさいというのが、われわれのアドバイスだ。

買い手が「値段はいくら?」という問いを発するのを忘れたときに、恐るべき損失が発生する。

投資のやり方には、一般的によく思われていないある特性がある。投資の素人でも、少しの努力と僅かな脳力で、素晴らしいと言えないまでも、それなりの結果を出せることがある。、でも、この簡単に達成できるレベルよりも上をめざすには、知恵だけでは足りない。平均以上のリターンをめざして知識と賢明さをさらに動員したとしても、平均以上のリターンをたっせいできないびかりか、逆に悪い結果を招いてしまうという特性がある。

投資は、ビジネスライク(事務的)になされるときにもっとも知的なものとなる。ビジネスでは成功している多くのビジネスマンが、その成功の原則をまったく無視してウォール街で投資をしているのは、驚くべきことである。

利益を獲得するための投資は、楽観によってではなく、算術によって決定されるべきである。

勇気を持って、自分の知識と経験を動員することだ。もしあなたが事実から結論を導き出し、自分のその判断が健全なものだと考えているならば、たとえ他人が躊躇したり、違う考えを持っていたりしても、行動することだ。証券投資の世界では、十分な知識と考え抜かれた判断のあとでは、勇気は最高の美徳である。

投資をする前には、それがどんな種類の投資であれ、自分自身、自分のスキル、自分の投資期間、自分がつぎ込むことのできる努力の量、自分の経済的なニーズ、そして自分が取ることのできるリスクについて理解することが必要だ。

資金の25%〜75%の間で普通株に投資し、残りを債券に投資すべき。実際の比率は、自分の状況とら投資に注ぎ込める時間次第。

ポイント:多くのパッシブ投資家は、自分をアクティブ投資家だと勘違いしている。医療行為や建築工事は片手間ではできないと言いながら、投資は片手間でもできると思いこむのは、大きなまちがいだ。

ポイント:トレンドを追うのが好きか? 投資をする前に、自分の気質や強み、弱み、好き嫌いをよく知ることが大切だ。

ポイント:どんな投資でも、公正な価格よりも低い購入価格で株を買うべきだ。それが安全余裕枠を持つということである。

ポイント:株式市場と債券市場では、債券市場のほうが正しい。株式市場の価値評価は恣意的で、市場心理に流されやすい。

グレアムが企業の価値評価で予測に頼らず過去10年の財務諸表を分析することで分かること

その企業が属する業界は、利益が出やすい業界なのか?

その企業の業績はどうなのか?

成長はどうなのか?

現在、そして、将来どのような問題に直面するだろうか?

顧客は、その企業の製品をどのくらい好んでいるか?

製品の価格決定力はどのくらいあるか?

不況におちいった場合、どのくらい耐えられるか?

経営陣の能力はどうなのか?

ポイント:財務諸表を読み込めは、業績や事業の成長性から、経営陣の質、投資家に対する姿勢まで、あらゆることがわかる。

財務諸表の脚注を注意深く読む。脚注にはとても貴重な情報が盛り込まれているにもかかわらず、ほとんどの人がここを詳しく読ないのは驚きだ。

ポイント:財務諸表の注脚を読まない人が多いが、株主の利益を減らしてしまうストックオプションやワラントがあるか、不正な会計操作がなされていないかなどかま注脚からわかる。

バフェットの考え

ポイント:投資について学ぶと、経済学や景気変動や財務分析だけでなく、人間の行動や性格についても知ることができる。

ポイント:わたしは、投資が的確かどうかの分析を済ませたら、恐れることなく大きな賭けをふる。状況が悪ければ、何年にもわたって投資をまったくしないこともできる。

ポイント:自分が何を知っているかを知ること。自分で理解できない専門外の分野に投資するな。

分散は、われわれ自身の無知に対するヘッジである。自分がしていることがわかっている者にとっては、分散はまったく意味のない行為である。

ポイント:分散投資は、リターンのロスを招く。十分に分析をして、資金を有望な株につぎ込む方がいい。

ウォール街は、お金を活発に動かして利益を得る。あなたはお金を活発に動かすことなく利益を得るのだ。

ポイント:活発にお金を動かすアクティブ投資をすると、コストがリターンを食いつぶしてしまうし、役に立たない雑音のような情報に反応する誘惑に駆られてしまう。

第一のルール、決して損をしないこと。第二のルール、けっして第一のルールを忘れないこと。

ポイント:長期間にわたる複利効果を考えると、わずかなリターンの差も大きな差に変わる。小さなミス、小さなコストを気にかけること。

株式市場では、浮かれているみんなの意見にのると、とても高い代償をしはらうことになる。

ポイント:投資哲学、気質、規律は変わらない。でも、新しい発想に心を開き、時代に合わせて投資手法を発展させることが大切だ。

ポイント:割安株、つまり市場での価値が運転資本に満たない企業は、かならずある。それを見つけられれば確実に儲けられる。

ポイント:正確に把握することのできない小さな要因が、長期間で大きな差を生んでしまう。予測は信じてはいけない。

バフェットの言う“オーナー収益”について

オーナー収益とは、純利益に減価償却費のような非現金費用項目を加えた上で、設備投資などの資本支出を差し引いたものだ。わかりやすく言うと、株主が事業から得て自由に使うことができるお金のこと。大きければそれほど投資の目的である事業が好調。

バフェットは投資先には借金があまりなく、まずまずの投資リターンが得られる事業が好き。リスクは借金とチョクセツテキな相関関係にある。同じように儲かってる二つの事業があった場合、レバレッジが少ない(つまりしゃっきんが少ない)事業の方が良い。

ポイント:株主が事業から得て自由に使えるお金が大きいかどうか、借金が少ないかどうかの二つが、事業の強みを評価するときの大切なものポイントだ。

その他

EBIDTA,ROCEを理解しよう。

EBIDTAは税引後利益とは違うが、強いEBIDTAはほとんどいつでも強い税引後利益につながる。

EBIDTAが強ければ、なんらかの理由で一時的に借金が多くなっても、資本を投入することで簡単に問題を解決し、借金の返済もできるようになる。

ROCEは、借金と資本金を使ってどのくらい儲けているか

強いことが投資の条件。事業がどのくらい効率的に運営されているかを計るバロメーター。

ROEとの違いは、ROCEが良くない会社でも、借り入れコストが低いとROEを高くできる。

ROCEが高い会社は、使用するお金に対して相対的に利益の幅が大きい。ROCEが高ければROEも高くなる。

ROEが高いだけではその会社の事業が強固かどうかは言い切れない。ROEが高くてもROCEが低い企業もある。ROEだけでは勘違いが起こる。

私、ROEだけ見てました…。これからは自分で計算することはありませんが、表示されていればROCEも見ていきたいです。

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