『どん底サラリーマンが株式投資で2億円・いま息子に教えたいお金と投資の話』 を読んで

読書したもの

35歳の時に妻の浮気により離婚し父子家庭。貯金は妻に持っていかれ保有資産は90万円。子供のお迎えもあり残業ができず手取り年収400万円。そこから以下にして資産二億円を築いていったか、そこに至るに何があったか、必要な要素は何だったかという内容。個人的備忘録。

最初の目標は1億。理由は元妻を見返すため。資産形成するに当たり、大切なのは種銭。年率20%を9年続けて資産が5倍になっても100万円では500万円にしかならない。それも立派だが目標には至らない。元手が多くある必要がある。富めるものはより富める。それが資本主義。なのでまずは種銭作り。そのために節約をした。

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種銭は4年間節約して年間支出200万円で生活して残り200万円を貯金してためたと書いてある。テクニックも載っているが、社宅だったり物価が今と違うので完全な参考にはなりにくい。

しかしこういった節約倹約で共通して言えるのは、まず収入から貯めると決めた分を引き、残ったお金で生活するという点。ここは地味でも王道。

投資の経過も書いてある。1000万円の種銭をためて1年後にすぐに2億超えになったが、全力二階建てをしていたのでライブドアショック(マネックスショック)で8000万円まで減らす。

まだ8000万ある(そもそも1000万を数年で8倍にするのもすごい)のでそこから投資方針を変更。昔一度夢見た四季報に大株主として載るというのを目標に、以前から目をつけていた時価総額の小さい会社に少しずつ集中投資。結果として大株主になり四季報に載る。

集中&長期保有のほっとけ投資。会社員をしているので数年に一度ある暴落を恐れたり日々の株価に一喜一憂していたらの心も体も持たない。私生活や仕事に影響が出る。仕事を首になったらシングルファザーの著者からしたら一大事。

結果としてだが、大株主になった結果、「株を買う」という意識から「会社を買う」という意識にシフト。そのおかげで日々の株価の上下を気にせず、ほっとけ投資ができるようになった。ある種逆説的。

著者自身、信用取引で一度資産を大きく増やしているので、私が最近読んだ投資本には珍しく信用取引は条件次第では肯定派。

ほっとけ投資最初の試練のリーマンショックで他に保有していた投信が半値近くになり売却。そこが

「投げ売りしたくなるときこそ、買うべきとき」と胸に刻み、市場に翻弄されるのは金輪際やめようと決意したのだった。

勝つときに大きく勝てば「2勝8敗」でいい

損切りについては残念ながらほとんど語られてないのでどういう基準で損切りしていたかは不明。損切の基準も大切なので知りたかった。

奥単位の資産を築こうとするならば、少なくともプラス10〜20%程度で利益確定してはいけない。

この理屈はすごくわかります。しかしながら一方で、一時期上昇した株価が、結局元の株価に戻ってしまった場合かなり悲しくなるので私は適宜恩株化したいなぁと思ってます。それが良くないんですかねぇ。

銘柄選びの4つの視点

①知ってる会社。バフェットさんやピーター・リンチさんの言うように、自分が見たり使ったりしたことがある製品サービスのほうが詳しい。それはファンドマネージャーにも負けないエッジになるということなのでしょう。

アメリカ株についても触れてました。

自分のような日本のサラリーマン投資家は、仕事を通して多くの日本企業を深く知るチャンスがある。だから、わざわざ米国株に手を広げなくても、日本株をターゲットにするだけで十分だと思っている。

それと関連・補足で、株は自分が好きな会社に投資した方がいいとのこと。株を買うのはその会社のオーナーになること。自分が好きでも他の人が買ってくれないと株価が上がらないとしても、ほっとけ投資では長い付き合いになるから嫌いな会社を長くもつより好きな会社を、ということ。

これに反する考えですが「銘柄に惚れてはいけない」という意見もあります。投資家は冷静な判断が必要なので、切るときは切らねばならないからです。しかし利益を伸ばすためには一時的な含み損には許容するべきという考えも多いです。なかなかそのバランスが難しいですね。

②たぶん倒産しない会社。倒産したら元も子もないから。ごもっとも。

最低限、自己資本比率、利益余剰金、現金と現金同等物の3つは確認。

自己資本比率は50%を超えると財務基盤がある程度しっかりしていると考える。

この利益余剰金が大きい会社ほど稼ぐ力があり、その傾向がこの先も続くとしたら、財務基盤が安定していふとみなすことができる。

利益余剰金について私は全然わかってないのですが、財務基盤の安定性の基準になるというのは初めて見ました。

現金と現金同等物。これもやはり財務の安定性。キャッシュフローでも出てきますね。なんの本か忘れましたが、ある本に「社長の仕事でいちばん大切な仕事はお金の工面」と書いてありました。いくら売上がたっていたとしても、売上金が回収できずに自分の会社の返済や支払いが滞れば会社は倒産します。黒字倒産ですね。現金と現金同等物が多くあったりキャッシュフローで現金に当たるものが稼げていればこれが防げるのかどうかは分かりませんが、きっと同じようなことなのでしょう。なのかな?なんじゃないかな?

最強なのは、定期的に現金が入ってくるビジネスモデルの会社だ。

やはり売ったあとの代金の回収は大事ですよね。漫画インベスターZにも、サービスを提供する前に先にお金を回収できるから保険は最強というような趣旨のセリフがあったと思います。

③割安な会社

見るのはPERとPBR。PBR1未満は業績悪化や不良在庫といった悪材料を抱えているケースもあり他の指数とクロスチェックすること。

日本だと大型で有名な会社でもPBRが1を割ってる会社はちらほらあります。あれはなんでなんですかねぇ。例えば今だと三菱商事とか。あれコア30に選ばれてるんですけどねぇ。

PER10前後、PBR1以下、同じセクター内でも相対的に割安な銘柄を探す。

④小さな会社

小型株効果。時価総額が大きすぎるとそこから2倍3倍、ましてや10倍というのは難しい。可能性だけなら小型株の方が余地がある。分かりやすい説明があったので引用。

時価総額トップのトヨタ自動車の時価総額は26兆円を超えている(2021年3月24日)。発行済株式数が変わらないと仮定すると、株価10倍になると時価総額は260兆円となる。世界の自動車産業の市場規模は約400兆円と言われているので、世界のトヨタといえども時価総額260兆円超えは難しいことがわかる。

配当性向は低すぎても高すぎてもだめ。配当金を出し続けてる銘柄は配当狙いの投資家に人気で株価が下がりにくい。配当金再投資による複利効果もある。しかし配当性向が高すぎるのは利益を将来に向けての成長に投資できていないので高すぎるのもだめ。

配当性向は30%前後、配当利回りは2〜3%前後が目安。

損切りについてではありませんが、売却する時についての記載がありました。

ストーリーを描いてから買い、崩れたら迷わず売る

ては、ストーリーを組み立てて株式投資に活かすには、どうしたらいいのか?

自分が実践してきたのは、「社内でその事業の担当者になったら、どのようなビジネスモデルをつくって展開するか?」というシミュレーションをすることだった。

なんだか物言う株主みたいですね。会社の経営のことを考える。本来の株主はこんな感じなんですかね。そうすると経営を任されてる社長の立場よ…。

キャッシュ比率は年代ごとに高める。

これは長期投資家さんも同じことを言ってましたね。自分の年齢をキャッシュ比率の割合にと。

それだとリスク取らなすぎなんじゃ…という気持ちも個人的にあります。まぁでも資産が大きい人はそれくらいドーンとしてるのが良いのかなァとも思います。私自身はこの、現金比率を年齢にというのを守りたい気持ちはあるのですが、スクリーニングするとすぐ買いたい銘柄買っちゃうので全然守れません。

他にも直接的な投資に関する内容以外に、著者の方が投資と付き合いつつ人生を豊かにするための心構えや考え方、経験と教訓などを息子に伝えるための本となっております。果たして息子さんはそれを実行できているのか…!(別の人格の個人なので実行してなくてもその人の自由ですけどね)

気になる方はぜひご一読あれ。ちなみにこの本の印税収益は母子父子家庭への援助団体へ募金されているそうです。私もこういうカッコイイことをいつかしてみたいですね。資産五億とかになったら。

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