発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術 / 借金玉

読書したもの

レビュー感想要約まとめ。それら一切が苦手なのでたまには読みながら思ったことを書き散らしていきます。

発達障害の人に努力しろとか努力させるための本ではなく、生存するためのささやかな工夫が記載された本。

すべての人に通じるというものではないので役に立てばという感じで

自分の能力の問題解決はトレーニングや習慣、ましてや意識改革等の精神論では不可能に近い。環境や方法を変える方が簡単。簡単な方でいいんです。

「訓練してもできないことはできない」と認める。これが、社会適応の第一歩になるでしょう周囲と同じ結果がでないのであれば、周囲とは違うことをするしかありません。それは多少不格好であっても、あるいは非常識であっても仕方がない。そう割り切ることが一番大事です。

「心を入れ替えて頑張ろう」と僕は何度誓ったか思い出せません。深刻な失敗をするたびに、自分の意志の弱さを、あるいは迂闊さを、あるいは注意欠如を責めました。でも、そんなことはなんの役にも立ちませんでした。

中略

悲壮な決意も固い誓いも、発達障害という問題の前ではいささかの力も持ちません。

「だから、「抜本的にやり方を変える」のです。そして、「やり方を変える」には「道具を変える」「環境を変える」といったやり方が最も容易であると言えます。自分はそう簡単には変わらない。だから自分以外のものを変えるのです。」

作者は無理に困難な自己変革には拘らない。それができればいいが、他に簡単な方法で代用できる(≒状況が改善される)ならそれで良しという考え。私も同感。このブログもまるで更新されてなく、投げやりでメモだけの記事も多いので道具の力で改善したい。今のところそういった道具はない。

共通する基本概念は3つ

1 集約化(ぶっこみ)

なるべく1箇所にまとめる

2 一覧性

一目で見て分かる。重ねない。隠さない。

3 一手アクセス

ものを取り出すまでの手順は短く、ハードルは低く、フォルダの多層化などもってのほか

「とにかく、必要な物はこの中にある」、それだけで「世界のどこにあるかわからない」「部屋のどこにあるかわからない」よりは遥かにマシです。

大きくて色々しまえて開口部が大きく自立して頑丈で、内部も仕分けられていてそれぞれに開口部があって、一覧性の高いポケットもあるとなお良い

紛失したりするよりは、とにかく「存在している」ことが大事なのです。

書類は薄くて「大切なときになくなる」という生き物 中略 あいつらは基本的に油断したら逃げ出すタイプのやつだと認識してください。

仕事の案件ごとにバインダー管理 クリアファイルは駄目というのは、自分も大量のクリアファイルで書類を管理しているので分かる。あれは収納しやすいけど横から見ると何が入ってるのかまるでわからない。

Contents

手帳やノートといった記録媒体について

一冊のスーツの胸ポケットに入る手帳にすべてメモ。手帳は前半がスケジュールで後半はたっぷりのメモ帳。1年で3〜4冊使う。使い切ったものは明らかにいらなくなるまでとっておくから年度末はカバンにいくつも手帳が入っている。これを読んだ時、バレットジャーナルという手帳術のことを思い出した。あの作者も確かADHDとかだったような気がする。必要な情報は下手に媒体を分けずに一元管理というのが無くしにくくて良いのだろう。「この手帳のどこかに書いた」というのであれば探しやすさもあるのだと思う。

そういえば昔、ノートは一冊にまとめなさいみたいたタイトルの本もあったなぁ。等と考えたり。

「汚くても読めなくてもいいから、とにかく書け」

読めなくちゃ困りますが、体裁を気にせず殴り書きでも書き留めておくというのは賛成です。前述した手帳術のバレットジャーナル何ですが、調べてみるとカラフルで整理整頓された文字と情報、豊富なイラストやスタンプやシール、キラキラしたインスタ映えしそうな内容でまるで1つの作品のようでした。あぁいうのが私にはできないのですごいなぁと思います。私も手帳はとりあえず書いておく派です。見た目は二の次。

部屋にある物も集約化。本質ボックスの話。

放っておくとすぐ散らかる。これは私も同じなので共感できますね。おそらく派生系で、物を整理するための棚やボックスなどの整理収納用品を買いすぎてしまうというのもあるんじゃないかなと思います。私はそのタイプです。整理するための用具がとっちらかっているという本末転倒な状態。こうならないように本質ボックスは数が多ければ良いという訳ではないようです。著者さんの物を放り込むための本質ボックスは種類ごとに3つだけ。人によると思いますがそのくらいが丁度よいのでしょうね。

使用頻度が高いけどなくしやすいものは聖別

鍵やら名刺入れやら、使用頻度が高いもの、しかし小さいものはなくしやすい。しかしなくすわけにはいかない。そういったものはお供え台のようなものを作って毎日そこにおいて拝むようにすると、面白いことに忘れないようになりなくしにくくなるそうです。

よくわからない現状を起こすにはよくわからないこと、すなわち儀式をやってみるというのが世界的な原則です。

と面白い言い回しをしてます。少ない対象なら、そうやって意識して他のものと切り離した動作(儀式)をすることで記憶に残りやすいのでしょうかね。

思考を整理させるというか、スッキリさせるための話

短期記憶が壊滅的に出来ない、脳のワーキングメモリが少ない場合作業内容は一覧で見えるほうが良いので机は大きいほうが良い。分けて広げるが絶対原則。著者はL字型の机を使っている。

そして作業スペースは作業ごとに分ける。クリーンなスペースを作りそこで作業中のものは作業する。物が雑多で散らかってる?もう片方の机をごちゃごちゃ専用としてそこにぶちこめば解決。

休むことについて

なぜあなたは「休む」のが下手なのか?

最も重要なスケジュールとは何か?

人生において最も重要なスケジュールとは何でしょう。我々の人生に絶対に欠かすことのできないタスク。生きるために最も必要なもの。手帳のスケジュール欄に一番先に書き込んで確保すべき予定は何なのか。

これはもう本当に明確で、「休養」だと思います

私もよく夜ふかしをしてしまうので、その次の日の仕事は本当に辛い…。子供がいると夜泣きや寝ゲロの対応で眠れないときもありますが、だからこそ意識的に時間を決めて休む必要があるんだなと感じます。しかし中々それができないのは、夜ふかししている最中はだいたい何かやりたいことをやってるか、やりたくないことだけど興が乗ってやる気スイッチが入ってるから作業を中断させたくないとかなんですよね。それこそ何かしら「時間が来たら入眠の儀式」のようなものをして条件反射的に寝るようにしたいものです。子供が寝る前に絵本を読むことで眠りにつくルーティーンを作るように。うちの子は寝ませんが。こんなところも親譲り?

完璧な休日の予定を作り、意思を持って「休む」というタスクをこなす。完璧な休日なので出来るだけなにの予定も入れない。私の場合ですと育児してるのでまる一日というのは難しいんですが、午前午後のうち何時間かというだけでも完璧な休みを作りたいと思います。もちろん家族了承の上で。

職場の人間関係とコミュニケーション、親睦、これらは部族の風習、掟、儀式を受け入れることにあるということについて

空気が読めないというのは共感性の問題もあるので仕方ない部分もあるが、くだらないと思うような事であってもそのコミュニティで発生している独自のマナー独自のルール独自のカルチャーには乗っかっておいたほうが良い。それが犯罪的であったりダーティでダークなことでなければ。例えば判子を押すときは偉い人にお辞儀をするように傾けるとか、飲み会の時は積極的に料理を取り分けたりお酌を継いで回ったり。

そして、業務習得や遂行の最高の潤滑油は「好意」です。業務上関わる多くの人間に好意を持たれることにさえ成功していれば、ハードルは一気に低くなります。とちろん、逆も然りです。悪意を持たれた時点で

職場間(部族間)コミュニケーションを良好にする「見えない通貨」

人は商売だけでなくコミュニケーションについても対価が支払われないと怒る。挨拶をしたら返す、何かしてもらったらお礼をする、山と聞いたら川と返すようなテンプレ的なコミュニケーションも含め。

人間関係を観察し、どういったコミュニケーションが行われているのか、何かをしてもらったら何を返せばいいのか分からないなら観察してその「見えない通貨」にあてをつけ自分もその見えない通貨のやり取りをする。この見えない通貨というのは、例えば誰かから頼んでもいないのに何か手伝ってもらったり施しを受けたり気遣いをされた場合、頼んでないんだからお礼を言わなくてもいいだろうと考えるかもしれないが、相手は対価を期待している可能性がある。それは物質的なものや金銭ではなく「お礼の一言」だったりする。これが見えない通貨の例。見えない通貨は部族によって、またそのパターンによって支払い方法が変わる。ここが難しいが、少なくとも「何かを受け取ったんだな。じゃあ何かお返しをしないと」と意識付けるのには便利な概念。

なお、著者が3大見えない通貨としているのは「褒め上げ」「面子」「挨拶」

「仕事を教わる」という商品は、一見タダに見えて決してタダではありません。教えてもらった分量に対して、感謝と敬意という対価を正しい方法で支払う。これが一番楽なやり方です。

敬意を示したら褒めるに移行する。褒めるは言葉よりもタイミングが大切。相手が「これを承認してほしい。俺ってすごいだろう?」とドヤってるタイミングで褒める。最初は警戒されるかもしれないが、何度かうまく褒められれば警戒心が解ける。

褒め言葉も5パターン用意して発声練習。

面子についてはわたしの会社にもいました。「自分はそんなの聞いてない。話を通してからにして」という人が。私も若干その気があります。

誰から順番に話を通すか、誰の意見を最も尊重するかというのに気をつけて、「顔を立てて」いかないとコミュニケーションが円滑に進まないというのはまぁある話だなと思いました。

例えば自分の上司Aと、そのAの上司であるBがいて、なにか提案するときにAを飛び越えてBに直接話を持っていくとします。Aは「無視された、存在が軽んじられた」と怒り出すかもしれません。先程の見えない通貨の例で言えば面子という通貨を払ってなかったということになります。ここに関しては私は「見えない税金」として方が分かりやすいかなと思いました。上司には面子を立てるという税金を都度都度払う(いわゆるお伺いを立てる)事をしないと人によっては手がつけられなくなりますね。

見えない通貨その3の挨拶について

挨拶は必ずした方がいい。飲み会の翌日のお礼とかも、くだらないと思ってもやった方がいい。タイミングや言葉がうまく出ないとしてもやらないよりマシ。

そして、それはずっと続けるべきです。あなたが勤続20年のベテランであってもです。感じが良く礼儀正しい人であって損をすることは、まずないからです。

そして、仮に挨拶を返さない人がいたとしても、それは挨拶をしなくていいわけではない。

ああいう人は「下っ端が挨拶に来て俺は無視した」という形で承認を受け取っている大変偏屈な人です。しかし、払っておいて損はありません(自分が挨拶しないから、相手しなくていいとは、決して思っていないからです。)

雑談について。雑談も立派なコミュニケーション。これを経てコミュニケーション可能かどうか測っている。苦手ならひたすら同意。あとは相手の言葉尻を拾ったりして凌ぐ。

共感について

著者、他人が共感し、ときに連帯して動くことを冷静に見極めてそこに対する不可解な点を見抜いています。それを「世界は奇妙な共感で回っている」と表現しています。

根本的動機を共有しない人々が「何となく」協調する。これは、その能力に乏しい僕にとって忌むべき現象ではあるけれど、その一方人間の非常に便利な能力だ、と考えるのが自然な気がします。

「わかるよ」は適当でいい

他人の気持ちなんてそもそも誰にもわかりません。それでも「わかる」と言ってあげることで人間は喜ぶのです。

その「共感」は雑なものでかまいません。「よくわからないけど、とにかく辛いんだろうな」くらいでいいのです。

この話はとても「不誠実」なとのに読めるかもしれません。僕もかつてはそう思っていました。しかしその「誠実さ」は「誰も幸せにしない誠実さ」だと気づきました。

共感とは別にまた理解することも大切、相手の苦労や努力を理解できれば共感もしやすい。

・相手の苦労、努力、能力。この3つに理解を示そう

ここを読んでたときに思い浮かんだのがBLEACHのこのセリフですね

共感するにはまず理解できるかどうか、そして憧れちゃうと理解しづらいのは、その人の苦労や努力が苦しいものなのに輝いて見えてしまうからなんですかね。

つまり苦労や努力を理解してほしい時に「すごーい!」とか「流石です!」とかいうのは場違いだとも言えるんでしょう。

茶番と化したと思えるルールや慣習について

受け入れる。くだらないと思ってナメてかかると前述した部族のルールから外れ排除されるリスクがある(例としては就活における数々の儀礼)

そしてナメてかかっているといざやろうとしても、たとえ簡単なことでも急にはなかなか出来ない。

睡眠と起床については私は何とかなる範囲なので割愛。実際に悩んでる発達障害の人や、エピソードや事例が気になる方は面白いので読んでみてください。

薬の話になると、やはり専門的なことになるのと自分が服薬しているわけではないのであまり読者としてそこについての感想はありませんが、規則正しくしても眠れない起きれない場合は医者に頼ることが最善であったり、そもそも正しい生活リズムを作ることに固執せず、ある程度見どれながらもその中でもリズムを見つけ自分のパフォーマンスが上がりやすいリズムを見つけることが大切なんだなぁと思いました。

それと薬を飲んでもやはりすべてが解決するわけではなく、そして薬なのでデメリットもあります。そもそもの性分から服薬自体を忘れたりということがあるのでその対策ナドも著者の方自身のやり方が載ってますのでそこは勉強になりました。

著者自身が鬱になったときの症状・体験・事例と対処法や鬱についての考え方の記載が最終章にあります。こういうときは危ないということも載ってたりもするんですが、私は自分に役立てそうな仕事術や生活上の創意工夫が知りたかったので感想も割愛します。内容としてはやはり面白かったし、周りにうつの人がいた時に少しでも理解する助けになるんじゃないかなとは思いました。自分が鬱になったときも有効かもしれないんですが、果たしてその時に思い出せるかはわかりません。

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